通訳案内士は稼げる?気になる収入とメリット・デメリット

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こんばんは。

通訳案内士のわんふらです。

検索すれば、いくらでも情報がある時代。

でも、本当はどうなんだろう?ってことは、実際現役の経験者に聞くのが一番。

通訳案内士として収入をアップさせたい、年収を安定させたい、通訳案内士として副業で稼ぎたいなど、通訳ガイドを目指す人が気になる「お金」のことについて解説します。

私はこれまで、長期スルーツアー(団体ツアーの全行程を担当する)、FIT(個人のお客様について、1日〜の単発的なガイド)など色々担当してきましたが、今回の話は特に、年収を安定させるには?という観点からお伝えします。

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 通訳案内士の平均的な収入は?

通訳案内士・年収でググると、400万円以上も可能って出てきます。
確かに。
可能だとは思います。

自分でお仕事を直接取ってくるか、旅行会社さんから案件を頂くかにもよりますが、2017年の現行での相場は以下のような感じ。

◆ 相場

FIT(個人客・単発)

 4時間 :13,000円〜, 8時間: 22,000円〜

スルー(団体ツアー全行程)

 1日: 28,000円〜

 普通に計算しますと、月35万円稼ごうと思ったら8時間のFITを毎月16日間するだけで、年収400万越えです。

お休み多くていいなーって気分になりますね?

スルーツアーは、夜のディナーまでお供しますと、日給35,000円とかも普通にありますので、それだと2週間くらいのツアーに出ればいいってことになります。

しかし、フリーランスとは厳しい世界で

依頼が毎日都合良くうまるとは限りません。

だいたい、FITですと、人気訪問都市、東京・京都なら数泊分のガイド依頼もありますが、1日のお客さんだけでも勤務日数を連続でうまるかも?というのは、春と秋の繁忙期くらいではないでしょうか。

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桜と紅葉の季節なら、ガイドさんの実力次第で休みなくスケジュールがうまることはあります。1年、2年も前からうまる人気ガイドさんも。

反対に夏と冬は、ツアーも激減。。。他のお仕事を探す方、冬眠される方もいらっしゃいます。

そして、落ち込んじゃうキャンセル

如何せん、旅行業は天候、国内外の情勢、円高などにも大きく影響を受けます。キャンセルも数日前なら、まだキャンセル料も頂けますが、2ヶ月前など微妙なタイミングだと新しい仕事を取るのも難しく、あてにしていた金額より少ない収入になってしまうということも多々あります。世知辛い業務委託。
いや、月収足りないんですけど?と嘆いても、守ってくれる会社はない。

国の統計によると、通訳案内士の年収で、もっとも多いのが『100万円未満』。年間の稼動日数も「30日以下」が半数以上を占めています。

とは言っても、スルーのガイドさんをするなら、100万円越えは、そこまで難しくないです。春と秋に1本づつ、2週間働くだけで達成。

でも、それじゃあ、主婦の不要範囲内のお仕事には最適!と言えても、本業じゃ厳しいのでは?と思えますね。

稼ぐ通訳案内士、収入を安定させるには?

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1. スルーツアーの仕事を取る

安定を目指すなら、ずばり、団体客のスルーツアーをするしかない!

2週間のガイドで、45万〜80万円くらいは確実に稼げます。幅があるのは、チップや旅行会社のガイド料規定などによっての差異です。

2.自分にあった旅行会社を探して、そこから仕事をもらえるようにする

ツアーにも、色々な特色があります。
富裕層からミドルクラス、若者向け等、お客様の好みやご要望も違ってきます。

国籍も多用。私は英語の通訳ガイドですので、大体はアメリカ、イギリス、オーストラリア等のお客様が多いです。ガイド仲間のお話を聞くと、インド、イスラエル、ヨーロッパのお客様など文化によって、ガイドが気をつけないといけないことも変わってきます。

年齢も若いハネムーンのお客様と70代のお客様では、ペースも興味も全く違います。

オールマイティーにできるといいのかもしれないですが、その違いを自分の強みにして、特化して売り込むのもありかと。自分にとっても、ガイドして楽しいと思えるツアーが多い旅行会社さんと多くお仕事をして信頼関係を深めるのが大切です。

3. 通訳案内士の資格は有利

2020年の東京オリンピックに向けて、インバウンド(訪日外国人)の需要は高まっています。受け入れ拡大のため、通訳の有償ガイドを無資格でもできるようにする「改正通訳案内士法」が2017年5月に成立しました。2018年3月までに施行される見通しです。これまでは通訳案内士という国家資格が必要でしたが、これからは資格がなくても大丈夫になったということです。

しかし、ある程度のスキルとクオリティーを証明する上で、資格を持っていた方が仕事を取りやすいというのは、確実に言えることです。

通訳案内士試験は、1年に一度、毎年夏に実施されています。ガイド獲得に向けて、試験内容も易しくなっているとのことですので、まずは資格取得を目指す価値はあります。

通訳案内士になったら。メリット・デメリット

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 メリット
  • 時間が自由

 自分の働きたい時だけ、仕事を入れられるので、例えば冬の閑散期には海外で長期滞在。(去年の私は、バリに行ってきました。)ということも簡単です。予定の自由度優先で、収入がある程度あればよいという人には最適。

  • 年齢制限が厳しくない

定年された方、子育てが一段落着いた方など60代でも、ばりばり仕事なさっている方がたくさんいらっしゃいます。

  • お客さんが喜んでくださる

日本の素敵なところ、文化をシェアすることは、やりがいがあります。お客様の関心されるポイントが、意外なことも!"デパ地下のお菓子のパッケージがカワイ過ぎる"とか、たわいもないことですが、日本にいると当たり前過ぎて、気にも止めていなかったことを一つ一つ一緒に感激することは楽しいことです。なかには、「日系三世だけれど、日本に今まで来たことがなかったので楽しみにしてきた」など、日本に深いつながりがあり、ルーツに触れるためにいらっしゃるお客様もいます。一緒に時間を過ごさせてもらう中で、祖先、家族、人と人とのつながりがあたたかく嬉しい気持ちでいっぱいになります。

  • どこにでも住める

基本スルーツアーは、お客様と一緒にホテル滞在になるので、どこに住んでいても大丈夫。もちろん、東京や京都の方が仕事数も増えますが、仕事以外では、自然いっぱいのところで暮らす!なんて夢を叶えることも可能。もしくは、家賃の安いところに住むなどの工夫もできます。

  • 時給換算の収入は悪くない

4時間のFITツアーだとしても、お客様のご要望で2時間で終るときだってありますし、時給3,000円くらいの単発のお仕事として見れば、割はいいです。

 

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 デメリット
  • 収入が安定しない

まだまだインバウンドを増やしていこうという政府の方針はありますが、こればっかりはどうなるかわかりません。ある程度の収入を見込める会社員のようにはいきません。若い世代の方は、通訳案内士をステップアップとして、会議通訳などの道に進まれる方もいます。 

  • スルーツアーは、宿泊前提

スルーツアーに一旦出るとなると、2週間近く家をあけないといけない。
お子さんがいらっしゃる方等、ご家族から2週間も離れられない方も多いかと思います。その場合、通訳案内士で年収400万は厳しいとしか言えません。

  • ガイド以外の書類提出が面倒

FITツアーは特に、報告、清算、領収書などの書類提出が面倒になる時があります。20日間連続でFITをすれば、20枚の報告書が必要になります。簡単な報告ですので、慣れてくれば短時間で出来ますが、それでもExcelで書類を作り、印刷、郵送となると、少し手間です。スルーツアーは、書類提出も1回ですむのでこちらは楽です。

 

それでも楽しい通訳案内士。

どんな仕事にも、辛いことも楽しいこともあります。
現状を知って、それで、自分で選んでいく。
何を優先するかは自分次第。
私の場合、ライフスタイルに合っているし、今のところ楽しいです。
今年の年収は、7桁代、月収ではありません。
世間的には、低めかもしれませんが、年収1000万円でも、退屈だと無理という性分なので、今のところ継続してみようと思っています。
空き時間を使って、どんな働き方ができるかトライしていく予定です。
トライできるって、有り難い環境です。
以前は会社で毎日コツコツ、ペーパーワークもしてましたが、安定してるとわかっていても、戻りたいとは思わないです。
参考になれば、幸いです。